特別展・京都−洛中洛外図と障壁画の美

-- updated
rakuchu上野の東京国立博物館で開催されている
 特別展 京都−洛中洛外図と障壁画の美 に行ってきました。

行く前は、洛中洛外図なんて、そうたくさんあるワケでも無し、
屏風の動画なんてどうなんじゃ?
面白いのかなあ、そんなに見所あるのぉ?、、などと 
恐れ多くも懐疑的でしたが、
期待を裏切る とっても判りやすく見易く、いい特別展でした。

いやぁ、今回も行ってよかったです♪

まず、会場入口を入るとすぐ、
洛中洛外図の見所の拡大ビデオが4面に渡って流れています。
これが かなりいい!

屏風の大きさからすれば、書かれている人物や車、家などの描写は と〜〜っても小さいのですよ。
この拡大動画を最初に見ると、実際の屏風の細かい部分がわかるので、
人物の動きの躍動感などをイメージしながら、ついつい見入ってしまい楽しめます。

あの動画があるだけで、ぐっと屏風を見る視点が変わるのですよ。
さ〜すがトーハク。

屏風を見ながら伯父がぽつり・・・ 昔の家は屋根で 家の格がわかりますねぇ。

庶民の家は、長屋が多いでしょうが・・屋根がまるで、すだれの丈夫そうな物のよう・・
それに比べて 将軍家、御所、寺の屋根は、瓦や茅葺。重みがあります。

屏風をじっくり見ていると、人物が皆、とっても曲線的な印象です。
老若男女、みんな、どこかおおらかで、直線的ではなく曲線的。

じ〜〜と見ていると、絵巻物もそうですが、昔から日本には漫画っぽいものがあったんだなあ
と実感できます。

屏風の中には、3千人以上の人物が描かれているものもあり、
しかも人物には それぞれの表情があって、本当に細密です。

屏風に描かれた徳川以前の 足利将軍家や、御所って、
それほど仰々しく警備されていない様子だったのが意外でした。

それにしても、京都の町並みって、応仁の乱以降 変わらなかったのですね〜。
平和だったということもあるし、すごいことです。

上杉本と呼ばれる屏風は、信長が一事持っていたといわれますが、美しかったです。
勝興寺本、色がとてもきれいでした。

屏風とともに、京都御所の中の障子絵、龍安寺の様子、二条城の黒書院のホンモノの襖絵が展示されています。

京都御所の障子縁は、中国の賢人聖人たちの絵。
中国の歴史を ほんのちょこっと かじり中の私ですが、知らない人がた〜〜くさん。

歴史に詳しい伯父さえ、”知らない人が結構いる・・・” とつぶやいていました。

これらの絵に囲まれた大広間というの、重厚感があり、かなりかっけ〜広間だったことでしょう。

龍安寺、超高精細映像の4Kで石庭の四季を映し出したビデオもありましたが、これが なかなか臨場感あふれる 見事な映像でした。

素通りする人もいたけど、見ごたえあり!

襖絵も展示されていましたが、一部はメトロポリタン美術館からの里帰り。
アメリカには、いいモノが行ってますね。

さてさて、すごかったのが二条城の襖絵。
今は、二条城には模写が展示されているので、本物を見る機会は そうそうないようです。

かなりの圧巻。
黒書院の一の間、二の間、大広間と、
実際の間取りに習って 展示されており、
徳川さんのご威光が その当時、破格のものだった事が実感できます。

あまりにすごくて、思わず、おお〜〜っと声が出ました。

ここ二条城は、将軍上洛時の宿だったそうで、
いつもいるわけではないのに、この豪華ぶり。

いやいや、滅多に来ない場所だからこそ、これほどのモノにしたのかも。

ここにお城勤めされる方々は、こげな逸品を見ながらお仕事していたなんて、
目が肥え、心のありようも 一般庶民とは 世界が違っていたのだろうなあ・・。

今の一般的な会社の机、壁、椅子などと比べたら、
これまた 質がずっとずっと格上だなあ、と思ったりしました。

将軍に向かって拝謁した場合の景色と
将軍側から 皆のもの を見渡すときの景色と、
それぞれを 想像たくましくしながら 味わいました。

この二条城の展示物は、一見の価値あり、、というより
一生に一度は見たほうがいいと思います。

わたしも、もう一度見に行きたい! (その後、2回目の鑑賞、、行って来ました^^;)

今思い出しても、二条城の絵は すごかったです〜。
迫力あります。

なんだか 少しだけでも、いいモノを見て、
いいモノを傍において 暮らしたいものですなあ、なんて思いますが。。

中国の賢人・聖人たちからは、
 モノに頼らず、まずは自分の心を磨きなさい、と 言われそうな気がします・・

『日々精進』という言葉が 心にずっしり 響いてまいりました。(^^)
がんばろう〜〜♪

中国の至宝展・出雲展

tohaku1
この2週間ほど、風邪気味だったり軽い気管支炎だったり、、体調下降気味で色々頓挫しておりました。

とはいえ、そこそこ活動していたので、合間をぬって晴れ上がった空の下、
上野の国立博物館で開催中の『中国王朝の至宝展』に行ったり、
同じ場所で開催中の『出雲展』に行ったり しておりました。

どちらも、思った以上によかった!

仔細は、公式サイトの中国の至宝展出雲展などを見ていただくとして。。

中国の至宝展は、以前、『誕生!中国文明』で、夏、殷、周、春秋時代などの出土品を見て、強い印象を受けたので、今回の特別展も期待しておりました。
今回は、「蜀と夏・殷」「楚と斉・魯」「秦と漢」「北朝と南朝」「長安(唐)と洛陽(隋)」「遼と宋」といった2つの王朝の対比構成で展示されていました。

夏王朝が存在したのは、紀元前2000年〜1600年ごろといわれてます。
奇妙に聞こえるかもしれませんが、
時間軸を、紀元0年を中心に時代を折り返せば、
今が2014年ですから、ちょうど折り返し地点からの距離は同じくらい。

以前開催された『誕生!中国文明』では、
なんとまあ、そんな果てのような時代からのトルコ石の美しい 小さな動物紋飾板があったり、、
紀元前1600年頃の白い陶器(そんな昔に既に白があったなんて凄い!)など、魅惑的な品々でした。

そして、妙に心に残ったのが、春秋時代の『九鼎』..3つ足の鍋が9個あるだけなんですけど、
9という数字は、王にだけ許された特別な数だったそうで、
9個の大きな鍋がずらっとガラスケースに並んで部屋を埋めていたのは壮観でした。

私はどうも、、3本足の鼎(鍋)や角(酒器)、爵(しゃく)が好きらしく、
見ていて、ついつい近寄っていってしまう。。

あのころは(今もまだまだですが)、中国初期文明については、な〜〜にも知らないで、
ただ ほいほいと観ていましたが、それでも素晴らしいと判るものが沢山で、楽しかった。

今回の中国の至宝展も、よかったですよん。figure1

思いのほか小さかったけど、ピカピカの金製仮面。
紀元前1200年ころに、こんなに薄い仮面が作られていたなんて!
何かに被せて使っていたのだろうか??
 写真は、そのフィギュア (初めて買ったフィギュアです^^)

龍というのは、秦の始皇帝の時代以前からあったようで、
かなり古代から龍は崇められていたようですね。

始皇帝の宮殿にあった(?)という絡み合う龍は、サンショウウオのような平たい顔をしていました。
龍の顔も、時代とともに変容しているのでしょう、
曽我蕭白の巨大龍図の龍とは、かなり違った表情と形です。

龍はいつの時代からあらわれたのかな、、、不思議に思っています。

中国展、今の私には、古代のほうが、、
しかも、仏教以前、秦以前のものがパワフルで強烈に惹かれます。
mask1
これは、突目仮面。
殷の時代のものです。日本でいえば、縄文時代。
中国も、古代は多神教だったそうで、
自然の中に、あらゆる神が存在していたような、そんな時代の品だろうと感じます。

動物をかたどった斎の時代の犠尊は 形がすごくよかったです!

また、青銅器の獣面文(饕餮文)がとてもとても印象的でした。
獣面文については、林巳奈夫さんの本に意味が詳しい。

こんな興味深いサイトも見つけました。
獣面文を器に画した理由は、強い動物の力を借りて神に捧げる食物を護った、とも考えられるそう。
な〜るほど、、その頃の人々の、自然への強い畏敬を感じます。

今回の展示の多くが、一級文物、つまり国宝級のものなので、これだけ揃う機会は、そうそうないと思います。
見応えたっぷりでした。


『出雲展』。
写真では、噂の宇豆柱を見てましたが、実物はさすが、迫力ありました〜。
大きい、太い!
あれだけの巨木を3本連ねたのが ひとつの柱だとは。。。
建物の大きさと重さを想像させます。

本殿の高さ48m、そこにたどり着く斜めの階段は109mだったそうで、
現在の建物にして、約10階建てと同じくらいだということ。

それにしてもよくまあ、それほどのものを作りましたねえ。
それほどの高みにこそ、神は降り立つのか。。
模型でもかなりの迫力を感じましたよ。

一緒に行った伯父達と
これだけの柱が見つかったからには、
建物を再現したい、、という声があがりそうだね。。と話していたら、

耐震基準をクリア出来るのか? 最近は竜巻が多いから崩れるんじゃないか、、
などの、すこぶる現実的で、否定的な意見が多かったです。。

また、荒神谷遺跡からみつかった358本の銅剣が展示されていました。
すごい量ですねえ。剣の曲線が見事でしたよ。

わたしゃ てっきり、”荒ぶる神の谷に 剣を生めて 神の力を抑えたのかなぁ?”なんて空想したら、
荒神というのは、台所にいる神様だったそうで、、あはは...^^; (汗 でした。

(ん?でも、その頃は荒神様は台所にはいなかったかもしれない??
 それに、その頃の地名は違ったかもしれないし?? 
 何故に一度に沢山の剣をおさめたのでしょうね??)

加茂岩倉遺跡出土の沢山の銅鐸は、きれいでした。
鹿、トンボ、亀などが施され、周辺には、細かな文様が繰り返されていて、
中国の獣面文のおとなしいもの、、のような気もして、渡来人のニオイがしました。

あまり期待していなかったのですが、本殿の模型といい、出土品といい、
ナカナカ見ごたえありました。

というわけで、結構お腹いっぱい 古代の香りとエネルギーを吸い込んだ気がしてます。

『北京故宮博物院200選』

伯父達と、上野の国立博物館で開催されている特別展『北京故宮博物院200選』に行ってきました。
dragon2012
現地 北京の故宮博物館でさえ滅多に展示されず、
長く門外不出とされてきた『清明上河図』が24日まで展示されているのも話題になっています。
連日長蛇の列で 待ち時間は2時間だとか3時間だとか言われてます。。。

その 長蛇の列 に並んじゃいました!kyu
一人だったら並ぶ根性はないけれど、
数人で行ったので、一人がきっぱり「並ぼう」と主張すると案外皆で楽しく待てるものですね。

今回の特別展では、『清明上河図』以外にも名品揃いで、
中国や台湾の方でしょうか、、、中国語を話している人達をあちこちで見かけました。

待ち行列で私らの前にいたグループは 台湾から日本に滞在されている方々で、
「こんなに沢山を一度に見れることはないから」とお話され、気長に並んでいました。

さて、その『清明上河図』。
待った甲斐がありました♪

24センチ幅で5メータ近い長さのものですが、も〜〜うその精緻なこと。素晴らしいです。
拡大図も掲示されていましたが、もともとが精緻で躍動的だから拡大してもきれいなんですよね。
絵に吸い込まれて見ていると、絵柄の中の民衆達の声や音が聞こえてきそうな感じでした。

欲を言えば もう少し、ゆっくり静かに見たかった。^^;

その他にとても楽しみにしていたのは 趙孟頫(ちょうもうふ)の「水村図巻」。
この絵を見つめていると、静寂とぬくもりを感じます。

この趙孟頫(ちょうもうふ)さんは、書で非常に有名な方で、
王羲之の書を100回も模して練習を重ねていたそうです。
趙孟頫の書も、数点展示されていました。

2006年開催の ”書の至宝展”での記憶もある米芾(べいふつ)さん、黄庭堅さんの書もありました。

曹知白筆 の「疏松幽岫図軸」はよかった〜。
素朴で素晴らしく、しばし足を止めて見入っておりました。
これも一級文物 です、一級文物 とは日本で言う”国宝”にあたります。

ところで、中国は龍の文様が多いですね。
今年は辰年だし、龍が好きなのでついつい眼に留まりました♪

乾隆帝の服には大きな茶目っ気のある龍(上の写真)が刺繍されていて、見事でしたし、
龍の文様がほどこされた青銅器、磁器など、それぞれの龍の柄が楽しめました。^^;

チベット仏教が乾隆帝の時代に盛んだったことは初耳で 興味深かったです。
大威徳金剛(ヤマーンタカ)立像は チベット仏教の躍動的で物語的な像で、心に留まりました。

景徳鎮磁器の「豆彩鶏文杯」もよかった!可愛くって色鮮やかでした!

この特別展は、『清明上河図』がなくても一見の価値あり。
書画も充実していて、日本がそれらの影響を受けていることをうかがい知れるものでした。

東大寺展

上野の東京博物館で開催されている、東大寺大仏展に行ってきました。

こじんまりしていて よかったです〜。

知らんかったのですが、、
東大寺というのは、もともとは、聖武天皇と光明皇后が、
幼くして夭逝した皇子の菩提を弔うため作った山房がことのはじめだったとか。

また、『金光明四天王護国之寺』という名前だったそうです。

聖武天皇の筆によるという、『金光明四天王護国之寺』と書かれた
東大寺の木造西大門勅額が 展示されていました。

この勅額、とても格好良くて、印象に残りました。

結構大きくて、看板の上部には 帝釈天と梵天の彫刻像がおわし、
その下、四隅には四天王の彫刻像、そして、その下に金剛力士の彫刻像が乗っている額です。

これは、桃山時代まで、東大寺西大門に飾ってあったそうです。

この、四天王によって国を護っていただく、という思想で 全国に国分寺を作る命が出されたのだとか。

東大寺は国分寺の総元締めのお寺でもあります。
なので、『金光明四天王護国之寺』とは、国分寺の事も言うそうです。


さてさて 今回の目玉はのひとつが、『八角燈籠』でしょう。
これ、通常は、大仏殿の前に建っているものです。
展覧会で見ると、かなり大きいです。
だけど、大仏を見に行く時は、大仏殿に直行して、ちゃんと見ずにスルーしていたような。
でもあれ?一度、この灯籠を触りまくって ぐるりと見た記憶があるような、、ないような。。^^;

ということは、今は大仏殿の前は、この燈籠がなく、スカスカの状態なのですね。。
今、大仏殿に行くのも、滅多にない光景を見られて、面白そうです。

東大寺は、2度大きな火災に遭っており、今の大仏殿も建て替えた物ですが、
この八角燈籠だけは、創建時のままのもの。

もともとは金ぴかだったそうです。今は、枯れた感じの渋い青銅色になっています。

4枚の窓には、たて笛を持つ菩薩、横笛を吹くもの、笙をふくもの、小さいシンバルのような楽器を持つ菩薩が
飾りとして施されています。なかなかの彫刻です。

この目玉展示は、ぐるりとひと回りして見られるようになっています。

重そうなこの燈籠、どうやって運んだのかと思っていたら、分解できるそうです。
屋根部分、本体部分、足部分と、分解しての移動だった模様。

八角燈籠の両脇には、「良弁僧正坐像」(平安時代)と「僧形八幡神坐像」 (快慶作)が並んでいます。
この八幡神は、普通のお坊さんに見える人の形をした神様像です。
普通のお坊さんの神様像って、何だか面白かった。


大仏殿建立の際に使われただろう 伎楽面や刀なども展示されていました。
今回復活された、当時の雅楽 音声ガイドで流れてましたが、
雰囲気がよかったです〜。和みました〜。
雅楽は、「天平の楽泉」というタイトルでした。


もうひとつの見所は、
鎌倉時代に大仏殿を再興した重源(ちょうげん)上人と
江戸時代に再興した公慶(こうけい)上人の肖像彫刻でしょう。

あと、意外に素晴らしかったのが『不空羂索観音菩薩立像光背』
意外に、、というのは、、本体がなくて 光背だけなので、
「なんだ〜〜、ちょっと寂しいんじゃない?」と思っていたからなのです。

いやあ、、彫刻が素晴らしい。細かい。ひゃ〜、圧倒されます。

ご本尊がないと、光背を熱心に見れますし、なかなかの良い機会でした。

そして、バーチャルリアリティで流れていた この菩薩様の宝冠。

数万個の宝石をちりばめたもので、装飾が見事。
もう、、ただただ素晴らしいです!

ブログで写真付きで書かれていた方がいましたので、リンクさせていただきます。
宝石とは、ほとんどが玉、水晶などです。

これを見ながら、、
 昔は宝物を仏像や観音像に差し上げていたのですね、、
 今は、自分で買って自分のために飾ることが多いけど、、と
自分のことも含め、振り返ってしまいました。
私も、水晶が好きで、凝りましたもん。^^;

どちらもいいのだろうけど、、
その美しさを何代もにかけて 広く多くの民とわかちあうのもステキなことだと思います。


はてさて、大仏展とはいうものの、さすがに大仏様=盧舎那仏は運べません。
で、バーチャルリアリティにて 上映されていました。
画像には、NASAやJAXA の協力もあり、宇宙的な背景もあり、
奈良時代の 天上界のとらえ方の説明があったり、
どうして、なかなか見ごたえがありました。

楽しかったです!

展覧会にいくと、まるで プチ旅行に行ったみたいに、
エネルギーと『気』が変わって 気持ちいいものですね〜。

くっきりと晴れ渡った青空の中、緑の上野公園も気持ちよかったです♪

田中一村

田中一村の絵、かなり好きです。isson

学生時代だったか、、、
教材だったか、、それとも何かの本だったかで見かけた一村の絵にカツンとやられました。

もっと知りたい、もっと沢山絵を見たい、、と思った。

だけど、、その時なぜかブレーキがかかり、
「もし、何年か経ってもう一度出合ったら、そのときに堪能しよう」と決めたのでした。

そして、、今から10年前くらいだっただろうか。。
田中一村のことも、彼の絵も 全く忘れていたころ、またバッタリと出合いました。isson-tori
まるで、忘れていた約束が叶えられたように。

早速書籍を買い、画集を入手し、新聞記事を切り抜き、、
何回も何度も、彼の絵を見つめてすごしたものです。

ー昨年は、奈良で開かれた一村の展覧会に足を運び、
実物の絵に興奮し、本にも画集にも掲載されていなかった沢山の絵も見、幸せな気分に浸りました。

今度は数日前、母から田中一村の展覧会が開催されていると聞き、
びっくり興奮し、、^^; 早速、千葉市立美術館で絵を堪能してきました。

前回いなかった絵たちもあり、反対に、今回は出展されていないものもあり、、
じっくり楽しめました。
isson-mimizku

一村らしい奄美での絵は大好きですが、
その他のお気に入りの絵は、奄美以前のもので、
阿蘇の山を描いた『放牧』、空の青と山と緑、そして小さく馬が2頭の絵。
そして『麦秋』、千葉の農村を描いた 金色に輝く麦畑の絵。

一村さんの感性は、美しいものに素直に反響して、まるでその美しさを絵に放出しているよう。。

まだ2回しか行った事はないのだけど、いつ行っても一村の展覧会は、清らかで美しくて気持ちよい。。

※9月8日の日経新聞朝刊に一村さんの展覧会が紹介されていました。

誕生!中国文明

上野の国立博物館で開催されている
『誕生!中国文明』展 に行ってきました。

とっても面白かった♪
空いていたのも幸いして、じっくりゆっくり堪能してきました〜♪♪

展示会の構成は、↓こんな3部構成。
 1部:王朝の誕生
 2部:技の誕生
 3部:美の誕生

楽しかったのは、第1部♪

王朝とは、家系内で長(おさ)を継承していくこと、という定義があるそうで、
王朝以前は、長(おさ)になる人が、家系によらず代替わりしていく時代なのだそう。

中国最初の王朝は、夏(か)王朝と言われています。
これが、、なぞの王朝らしくて、ハッキリしたことは今だ不明。。。なのだそうです。

夏王朝が存在した時期は、紀元前2000年頃から、と言われてます。

今から4000年も前。まさに、中国4千年の歴史、、ということなのでしょう。。。

その頃の日本は、旧石器時代だと言われているけど、、
果たして、原始的なだけの時代だったのか、、疑問だし、不思議な気持ち。。

先日九州で見た 旧石器時代の矢じりの交流を考えてみても、、
その頃の日本には、まとまった部族か村がいくつも存在し、
言語も文化もしっかりと成立していたと思うし、、
ひょっとして中国から流れ着いた人々との文化交流もあったのでは、、
なんて想像をたくましくしながら見学しました。^^;

さてさて、---中国文明の面白いところは、同じ地域で、ずっと文化が継承されていること。
--- その点が、メソポタミアやエジプト、インダスなどと大きく違う点です---
と紹介されていた。
「そういえば ホントその通りだ」と 目からウロコ。面白いなあと思う。

印象的だった展示品のひとつ、『動物紋飾板』。fox
展覧会のポスターやチラシにも掲載されているモノですが、、実物は、15cmほどのかわいらしいもの。。
小さいのだけど、、トルコ石がとてもきれいで、存在感がありました。

約3700年前のものが、こんなにキレイに残っていると思うと、、ほ〜〜、とため息がでてきてしまう。

圧巻だったのは、紀元前700年頃の春秋時代の『九鼎[きゅうてい]八簋(はっき)』の陳列。
出土したときは、幅を取らないように入れ子状態だったとか。

王権の象徴だったという、中国全土から集められた銅で作った大きな鍋釜群。
ライトアップされ、浮かび上がるように一部屋に並べて展示されており、
権力者の象徴だというのが、肌で感じられた。


その他、司馬光の書。(石に刻み込んだ書)もありました。
書って、人の雰囲気がでるものですね。。
字からは、司馬光という方、真面目実直という印象を受けました。

 ※余談ですが、首相を務めた吉田茂さんのお手紙を拝見したことがありますが、
 あのイメージどおり、豪快で力強い字でした。

秦の始皇帝は、中国の文字を統一したことでも有名ですが、
それ以前の文字も、一部が解読されて出展されていました。
でも、秦の時代は15年ほどで終わってしまったそうで、意外に短命だったのですね。


アクセサリーの展示に、金製の耳飾がありました。
とても細かい細工で、素晴らしい。
北宋時代、11世紀頃のもの。。

九州国立博物館で見た、縄文時代の重そうな耳飾を思い出し、
あれは中国の技を継承したのかも、、などと、またまた空想遊びをしていました。

日本の時代を思い浮かべながら、
中国大陸の文化の推移を肌で感じられる展覧会で、かなり楽しかったです。

中国人と思しきお客さんもちらほら見かけました。
これだけの時代の有名・重要・展示物を一度に見られる機会は、中国でも滅多にないかも。

人間の営みの 大きな時の流れを感じる展覧会でした。

銅鼓と羽人

ここまでの おはなしは、こちら

銅鼓展示室では、現代に残る銅鼓を使った儀式のビデオが流れていました。
撮影地は、中国とインドネシア。。
お葬式と豊饒の祭りの様子が撮影され、どちらも、生贄として水牛が奉げられます。

この銅鼓の音、、ガムランのポロンコロンという音色にそっくりで、
心地よく、、心そそられます。。^^;

銅鼓の発祥地は中国。
文様の特徴は、太鼓中央に書かれた太陽と、銅鼓の表面や側面に並んで描かれている船と羽人。

羽人の絵って、何気に可愛くて、
ネイティブアメリカンの題材にある「ココペリ」に似てますのじゃ。。^^v
背中から頭にかけて長い鳥の羽根をしょって(鳥の羽をかぶって)、船をこいでいる姿です。

 展示室は撮影禁止なので、写真が無いのが残念。。kokoperi
 参考までに、、フルート吹きのココペリの写真==>


その他、沢山の銅鼓や蛇も文様として使われていました。
蛇は再生、生命の再生のシンボルでもあります。

展示されている銅鼓は、触ってもたたいてもOK!
こういう展示、うれしいですね〜。

しっかり、触って叩いて 遊んできました。
童心に返ったように、心がはしゃぎます〜。

手で叩いても コロンポロンと 良い音がでます♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
これは、ぜひ叩いて体験していただきたいです!^^v

まだ展示室は他にもあるのですが、
古代の展示品とこの銅鼓で、もう お腹いっぱい〜、ふっ〜〜。楽しかった〜。
いつもなら夢中で見てしまう、仏像も書画も、、今日はいいや って感じでした。


いすに座り、外を眺めると、、、、えっ??すごい雨!!!
ガ〜〜ン。。。。。。傘もコインロッカーに置いてきてしまった。。。。

はぁ、、ショック。。。
しばらくやみそうに無いし、、コーヒーでも飲むか、、と一息。。。

しゃ〜〜ないので ビニール傘を買うと、九州国立博物館のマークが入ってました。。
これが唯一の記念品になりました。(^^)

傘をさして、今度は大宰府天満宮を通って帰りました。
名物の梅が枝餅が あちこちで売られていて、、懐かしい。

 ”東風吹かば にほひおこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな” 菅原道真

菅原の道真さん、あなたがこの土地に来てくれたから、大宰府は、いや..日本人は...今もあなたを覚えていて、ここはまるで、パワースポットになっているようですよ。

縄文人と現代人

旧石器時代のお話は、こちら。^^v

さてさて、学芸員さんに連れられて、縄文人の『ファッションコーナー(?)』へ♪

学芸員さん曰く;
”見てください、縄文土器とあっちの弥生時代の土器の違い。縄文時代の火焔土器、ものすごい装飾でしょう。”

”これは私の推測ですが、縄文人って、数日分の食料を集めたら、あとは装飾品を作って楽しんでいたんじゃないかと思うんです。誰かも何も言われなかっただろうし。。”

”弥生になると実用一点張りの、装飾がない簡単でシンプルなもの(土器)だけになるんです。食料が確保できるようになったけど、きっと1年中食料を育てる事で頭がいっぱいで、年間計画が気になって、心の余裕がなくなったんじゃないかと、、これは私の想像ですけど、そう思うんです。”

そうですねえ。。食料確保が出来るようになると、采配を振るう人が出てきて、ボス的な人と従う人というのが、小さな村のような集合体の中でも際立ってくるかもしれませんね。。

そんな話をしながら向かった縄文時代の装飾品展示。。縄文時代のアクセサリーとして、ペンダント、耳飾、腕輪、髪飾りがありました。

学芸員さん談
”縄文人と現代人、非常に似ていると思うのです。日本の歴史で、耳飾や腕輪、ペンダントが出てくるのは、縄文の後は、昭和なんですよ。”

え〜〜、ドッキリ。
でも、そう言えば、そうなのかも!?。。

”髪飾りは、かんざしなんか、ありましたけどね。耳飾なんて、縄文以降ないんですよ。”
”腕輪など、飛鳥頃にもありますが、ごくごく高貴な人だけのものですし、(縄文時代ほど)広くではなかったようですから。”

この耳飾は群馬県の出土品、たしか「国宝」に指定されていたと思います。。
あの、、この展示されている耳飾、すごく重そうなのだけど。。。

”今も、どこかの民族にあるでしょう。唇をわざと厚くするために伸ばすとか。。あれと同じで、耳飾をつけて耳たぶを伸ばしていたと考えられています。”

”この耳飾は、まあ、ピアスですね。。これと同じものを作ろうとすると、粘土が乾かないうちに、これだけの装飾を作るのは、出来ないのですよ。色々な方法で、再現しようとしたのですが、これは、復元できていないんです。”

うわっ、それはすごい。。

縄文人と現代人、、ファッションやおしゃれに費やす余裕があったという点で、似ていたのか。。

学芸員さんは、こうも言われてました。
”縄文人は、精神的に非常に豊かだったのでは、、と思います。”

確かに、、そうかもしれません!
少なくとも、弥生土器製作人よりは、のんびりと楽観的で、遊び心があったのでは、と感じました。


わたし、、旧石器時代や縄文時代を、こんなにじっくり眺めたのは、生まれて初めてかもしれません。
学芸員さんとお話して、色々な事を教えていただき、とっても、たっのしい時間でした!ありがとうございました!


旧石器・縄文時代の展示を後にし、ふらふらと歩いていたら、ゴオオンという音が聞こえたようで、、耳がピクピク。。

キョロキョロしながら、『かね♪すず♪たいこ』の展示室にたどり着きました。
太鼓と思っていたのが、実は銅鼓。インドネシアのガムランの響きにも似て、、何とも気持ちい音色。。。

==>> 続く


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