行ってきました〜。上野の国立博物館で開催中の
「皇室の名宝展」♪
第1期と第2期、両方行っちゃいました♪
行く前は、そんなに良いものが揃ってるんかいな?と 心配だったんですが、
さすが 宮内省〜>宮内庁 でした。
明治維新後、大名というパトロンを失ったアーティストを支えるべく、当時の宮内省が帝室技芸員という顕彰制度を発足させたため、良質な作品が宮内省〜>宮内庁には、沢山あるのでした〜。
また、宮内省〜>宮内庁に お買い上げいただくと、資金にもなるのです。
お寺などが、美術品を宮内庁におさめるのも、資金を得るためだったりするそうです。
さて、第1期の圧巻は、うわさに名高かった 伊藤若冲の「動植綵絵」。30副がずらりと並び、展示されている様には 圧倒されました〜。すばらしかった!
右の画像は、各軸絵の一部をしおりにしたもの。
左から順に「群魚図」、「貝中図」、「牡丹小禽図」。
こちらに 画像入りで紹介されていましたので、リンクさせていただきました。
人は多かったのですが、、、私は、あの「動植綵絵」の中にたたずんでいると、絵の色彩と 書かれている動植物の波を感じ、すご〜〜く気持ちよかったです。ニコニコ顔になって、無邪気にうれしくなっちゃっいました。
そして面白い事に、「気持ちよさ」を味わっていると、なぜか腹の底から「クックック」という笑い? 波動? が湧き上がってくるのでした。不思議な感覚。。これは笑いでなく、感動かな? こういうの変かしらん??(^^;)
「動植綵絵」で印象に残ったコトがあります。
若き若冲の「動植綵絵」を見た 売茶翁(ばいさおう)が 「丹青活手妙通神」(たんせいかっしゅのみょうかみにつうず)と一幅の書に描き、「あなたの絵は神に通じるようだ」と言ったという伝え。
時の風流人のこの言葉に、若冲は感激したそうです。
売茶翁 とは禅僧で、煎茶の祖なんぞと言われています。
彼は、風流人でもあったのですが、晩年、僧職をやめ、貧苦の中、高級だった茶を誰にでも飲めるものとして提供し、
『茶銭は 黄金百鎰より半文銭までくれしだい。
ただにて飲むも勝手なり。ただよりほかは まけ申さず。』
と茶道具を担いで京都を歩いていました。
「タダよりほかは まけもうさず」というの、とても好きなフレーズです。ミーハーに格好いい〜〜、って思います〜♪♪
職をなげうって自由に生き、茶を提供するダケという それを実行する素朴なパワーは格好いい。きっと、売茶翁は、それが気持ちよかったのでしょうね。
今の世の中なら、インドのヨギーやヨギーニのなかに、そういう人がいそう。^^;
さてさて、狩野永徳の大きな唐獅子図も、なかなかパワフルでした。
岩佐又兵衛の小栗半官絵巻、これが漫画っぽかったです。
漫画って、昔々からあったのねえ、なんて思いました〜。
意外だったのが、横山大観の「朝陽霊峰」。
彼の絵は、あまりインパクトを感じないのですが、これは別。。強いチカラを感じました。
”明治宮殿の調度に”、という御下命だったから、意気込みもあったのかもしれませんね。。
度肝を抜かれたのは、濤川惣助作「月夜深林図」という額入りの七宝焼きの絵。
七宝焼きといわれなければ、立派な水墨画なんです。
こ、これが七宝!? 信じられん、、と、、驚きでした〜。
もうひとつ、象牙で作った旭玉山「宮女置物」。
髪の毛の揺れた感じ、十二単のひだなどが、柔らかくたなびいていて、とても象牙とは思えなかった。すばらしく繊細です。
どれもこれも、よいものが沢山でした〜。お腹いっぱいになりました♪
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そのひと月後に訪ねた第2期は、正倉院宝物がメインです。
こちらで画像が紹介されていました。
メニューは、書が多く、絵巻物、名刀、琵琶、螺鈿細工の箱などなど。
4世紀頃の青銅の鏡など、保存状態がとてもよいものばかりで驚きです。
書で有名な王羲之(おうぎし)の喪乱帖もありました。
王羲之というのは4世紀の中国の書家。書道史上、最高の書家とされ、書聖も言われます。
唐の太宗は王羲之の書をこよなく愛し、亡くなった時に王羲之の『蘭亭序』を一緒にお墓に埋めてしまったとか。
彼のその他の書も戦火で失われ、今は、彼の書の写しのみが残されています。なので、王羲之の作品と言われても、「伝・王羲之」(王羲之作と伝えられる)と記載されるのです。
その貴重な書も宮内庁にあるのですね。。さすがです。
私は、昔の書の漢字も変体仮名も全然読めないのですが、、今回は、昔は濁点や半濁点がなかったことを知りました。また、梅(うめ)のことを「むめ」と書いていたことも、一緒に行った伯父に教えてもらいました。
どんな発音で会話してたのか、、ちょっと不思議な気持ちになります。。
今の言葉と、かなり違うのでしょうね。。。
余談ですが、今が旬のお花に山茶花があります。「さざんか」と読みます。でも、よくよく観察し、漢字どおりに読もうとすると、山(さん)茶(さ・ざ)花(か)なんですね。
以前は、「さんざか」と言っていたそうなんです。それが、読み方だけが「さざんか」に変わったそうです。^^;
そういう言葉、沢山あるんでしょう。言葉の変化って、時勢や海外との文化交流にも影響されてそうだし、探求したら面白そう。
「春日権現験記絵」は注目度の高いものでした。人の表情やしぐさ、貴族から庶民の風俗までがくっきりと描かれています。約700年前、鎌倉時代にかかれ、傑作とうたわれてます。神様が見るためにかかれたものなので、技術も最高のものだそうです。
神様のために最高のものを作るなんて、その「心意気」ってうつくしい。
今の世の中だったら、神様のためでなく、「純粋に自分自身のため」、「単純に皆の喜ぶ顔を見たいから」となるでしょうか。それとも、「世界のトップに立つため」とか?それらも、十分うつくしい「心意気」だと思う。
この絵巻ものには、犬からノミが跳んでいるシーンがあると聞いていたのですが、残念ながら見つけられませんでした〜。^^;
絵巻物って、蒙古襲来絵詞もそうですが、見てるだけで判るから楽しいですね♪
たまたまなのか、第2期を見に行った日は割合すいていたので、じっくり見学できました♪
上野国立博物館では、秋の庭園解放中だったので、お庭も散策してきました。お茶室や池の眺めもよかったです♪
紅葉を眺めながら、雲のなたびく空をしばらくボ〜〜っと眺めながら、気持ちよい日でした。